『柏崎ファンクラブ 祝5000人
広がる「大好き~柏崎!」の輪』

「エピソード1 運営 インタビュー全文」

この記事は、広報かしわざき平成30年12月号に掲載されたインタビューの全文です。広報には入りきらなかった内容も紹介しています。

柏崎が大好きな人たちが、楽しみながら魅力を発信することで、柏崎を盛り上げていく試みとして、平成28年10月にスタートした柏崎ファンクラブ。会員1万人を目標に、今年10月には42都道府県で5,000人を超えるまでに成長しました。現在も毎月100人以上の方が入会し、市内外で柏崎を盛り上げる活動が進められています。
設立からファンクラブに携わる伊藤さんと渡邉さん、途中から加わった村田さん。運営に携わる3人に、ファンクラブの今までとこれからについてインタビューしました。

<プロフィール>

会長 伊藤達栄(48)
柏崎市在住。波乗りと音楽を愛する、創業90年の肉屋3代目店主。面白いこと・楽しいことが大好きで、自然豊かな柏崎をアクティブに楽しんでいる。

委員 渡邉匠(45)
柏崎市出身、東京都在住。TV番組リサーチ会社を経営しながら、シティセールスの活動に参加。東京と柏崎を行き来し、半Uターンを実践。

運営委員 村田奈緒(47)
柏崎市在住。化粧品店勤務、ネイリスト。2人の子どもを持つ母でもある。シティセールスの活動には平成29年から携わり、今ではライフワークに。

初期からのメンバーが語るファンクラブ設立秘話

まずはファンクラブができた経緯や、立ち上げにあたっての思いをお聞かせください。

渡邉:僕たちがシティセールスの活動に関わり始めたのは平成27年でした。当時は、シティセールスシンボルマークを作ることと、「THE☆オール柏崎大交流会」をやることだけが決まっていた状態でした。

伊藤:そもそもシティセールスとは何か、というところから始まり、シンボルマーク総選挙をしました。そして、「オール柏崎」で外に魅力を発信していこうと、秋葉原で柏崎ファンの獲得を目的に交流会を行い、ファンクラブを立ち上げました。

渡邉:秋葉原の交流会では、柏崎出身者をはじめとした参加者の柏崎に対する熱量の高さを感じたので、きっとこの人たちが将来的に柏崎に貢献してくれるだろうという思いがありました。交流を単発で終わらせることなく、その後も続けていけるように、関係性を築き上げたかったんです。

伊藤:東京で頑張っている柏崎出身の人も大勢います。でも、地元の人たちはそういう人たちとあまり関わりを持てておらず、もったいない。「オール柏崎」として、柏崎に縁がある人やネットワークを全部つなげて組織化できれば、小さな田舎町でもすごく強い武器になるのかなと思います。

渡邉:出身者ですごい人たちはいっぱいいて、そこから徐々にいろいろな人がつながっていく。「オール柏崎」を掲げている以上は、それを束ねる組織が欲しかったんですよね。

理由があって、柏崎を離れざるを得ない人もいるでしょう。でも、離れたとしても、そういう人たちは柏崎にとって財産だと思います。U・Iターンや、企業誘致につながったりするかもしれません。そういう人たちとつながっていなければ、その可能性すらゼロなので、つながるということは非常に大事ですよね。

一市民から途中加入! 村田さんのビフォーアフター


ファンクラブができたあと、途中から運営に加わった村田さん。加入前後で感じたギャップや気持ちの変化はありましたか?

村田:ファンクラブのことは耳にしていたし、SNSでも見ていました。でも「誰かが何かやり始めたな」という感じで他人事でした。運営に携わったきっかけは、知人から運営委員を募集していると聞いたこと。ふるさと柏崎への思い、未来の柏崎への危機感、子どもたちに残したいもの…などを考え、応募することにしました。
運営側になってみると、柏崎のことをもっと知りたいと思うようになりました。私自身だけでなく、周りに発信をしていかなければならない役割を担っているので、皆さんに知ってもらいたいなと思っています。すごく楽しく活動できているし、やりがいも感じています。市民の皆さんと柏崎への思いを共感できるような活動を、もっとしていけたらいいですね。

市民の盛り上がりを外へ広げたい

柏崎ファンクラブは、市民を対象にしているところが大きな特徴です。その理由や考え方を教えてください。

伊藤:「内を制すは外を制す」。市民が盛り上がってないのに、外の人が盛り上がるわけがないですよね。みんなで柏崎を盛り上げて、その勢いを外に広げていくことが大事だと思います。

村田:大人が柏崎を好きじゃないと、子どもにも思いが定着しない。だから、これからも市民会員を増やしたいですね。

渡邉:ファンクラブのベースにあるシティセールスの最終目標は、定住人口の増加です。定住というのは、市民を外に出さない、出ても戻ってきてもらうということ。だから、市民もファンクラブに入会し、柏崎を好きになり、盛り上げてもらいたいです。

ファンクラブを通して柏崎のことを考えてもらいたい


では、市民会員の皆さんには、どんなことをしてもらいたいでしょうか?

伊藤:ファンクラブの活動を通して、市民一人一人が住んでいるまちのことを考えるようになってもらいたいです。柏崎で買い物をしたり、クチコミやSNSで柏崎を発信したり、柏崎というまちを再認識していただいたりすることが、ファンクラブの活動のねらいです。

渡邉:市民も出身者もみんな柏崎のファンではあるはずです。柏崎に住んでいるからこそ気付かないことがあると思います。だから、ファンクラブに入会して、柏崎を再認識してほしいです。例えば、夏のきれいな海を写真に撮ってSNSにアップするだけでも、宣伝になると思います。ファンクラブはそういうことを「やってみよう」と思うスイッチを押す役割になれるかどうかですね。グッズやサービスなど、会員特典目当てで入会してもいいと思います。例えば会員特典Premiumなら、提供店で会員証を提示して、サービスを受けることで、事業者にもお金が落ちるし、柏崎自体は盛り上がると思います。そのうち「もっとこういうこともあった方がいいんじゃない?」と考えてもらえたらありがたいですね。

裏メニュー員特典Premiumは、特典と言っておきながら、市内で買ったり食べてもらったりすることで、消費してもらっています。応援という言葉が消費という言葉に置き換えられるということです。柏崎にどういうものやお店があるのか知ってもらい、気に入ったら広めてほしいですね。

会員とのキャッチボールが始まっている

3年目に突入したファンクラブですが、2年やっていてよかったことはありますか?

伊藤:10月にファンクラブ通信を出したら「楽しみにしてました」というはがきが来たこと。会員とのキャッチボールがあることはすごいことですよね。

渡邉: SNSでもコメントなどでキャッチボールが始まっていて、出会うことのなかった人たちとのつながりができ始めています。特に、首都圏の柏崎ゆかりのお店の情報を募集したときに、ファンクラブってすごいと思いました。SNSで呼びかけたところ、会員の皆さんがたくさんの情報を寄せてくれました。こんなに情報が集まるんだと思いましたね。これはファンクラブをやっていなければできなかったことです。

村田:あとは、最近はイベントなどで入会をお願いすると「入ってるよ!」と言いながら通り過ぎていく人が増えてきましたね。
それから、イベントの準備のために、資料をお借りできないか尋ねると「いいこってそんなん。柏崎のためだろ。いくらでも使ってくれっや」と言ってもらえたことですね。そういう意識でいてくれるんだと、自分のことじゃないけど嬉しかったですね。

伊藤:周りの話を聞いていると、僕たちがやっていることは、今時の手法を使っているから、期待されている感じがします。だから、良い意見も悪い意見もあるわけだけど、それは多分期待が大きいからだと思います。正に、真価が問われています。反応をいかに引き出すかが、自分たちの仕事です。やっとステージができたから、演者を集めてきて、上手にシナリオを書いて、演出して…ということですよね。

良い意見も悪い意見も、関心を持っていただいているということの裏返し。ほとんど何も言われない、いわゆるサイレントマジョリティーの方が多いでしょうから。ファンクラブをきっかけとして、良いことでも悪いことでも、表に見えるような形で反応してくれる人が増えてきているんですね。

「その道のプロ」をつなげていく

今年のファンクラブの取り組みのひとつに、「かしわざき岬めぐり」がありました。身近にある海に、普段足を運ばない方はこれをきっかけに足を運んでもらうことで柏崎の海っていいんだな、海が身近にある暮らしっていいんだなと思ってもらったり、行っている人は柏崎の海ってこういう見方もあるんだと気付いてもらえたりできたらよかったです。「今まで海側から陸地を見たことがなかったけど、岬ではそれができる。だから、違う柏崎を見ることができたのはすごく新鮮だった」という感想も聞きました。そういう風に思ってもらえるきっかけとなり、良かったという思いがあるので、ぜひ来年は新バージョンをやりたいですね。

渡邉:冬バージョンだね。

村田:私も「これを観光資源にするべきじゃないか」と言われました。「この地層はな!」とコミセンのおじいちゃんがすごく熱く語っていました。

渡邉:本当は観光資源にしなきゃダメなんですよ。

村田:他にも「なんでもっとやらないのか」とも言われました。じゃあそれで人を呼べるのかってなったときは、いろいろ考えていかなきゃならないんだろうけど、岬めぐりがそう思われるんだって気付きました。こうやって周りからいろいろなアイデアや話を聞けるのが新しいですね。

渡邉:気付いたのは、柏崎には鉄道遺構があるから、鉄道でもできるということ。鉄道マニアを巻き込むこともできそうですよね。岬めぐりをやることによって、こういうヒントがかなり得られました。地層もそうですが、カードを作ろうとすると、詳しい話を誰に聞けばいいんだってなる。調べているその道のプロたちは多分柏崎にもいっぱいいるので、そういう人たちと一緒になってやれるともっと面白くなるよね。

柏崎の人はイジケている?

伊藤:柏崎は、中途半端な人口規模で、いろいろな業界がバラバラな感じが否めません。いろいろな団体がみんな同じ方向を向いているのに、それぞれで同じようなことをやっている、ということはもったいないと思います。それぞれをうまくつなげることができないかという話をよくします。ただ、それぞれに事情があるから、できることとできないことがあるとは思います。でも、外から見ると内側の事情はどうでもいい。柏崎の通信簿を外の人が見たとき、柏崎は何点、と見られているだけですよね。

渡邉:外からは事情は分からないですもんね。だから「なんでそんなにいろいろなイベントがあるの?」「多くない?」と言われるし、僕もそう思っていました。みんな向かってるベクトルは一緒だから、まとめられるといいですね。その点ファンクラブはハブ役だと思っています。来年2月のはなまるクーポンとのコラボがいい事例になってくれれば一番いいんじゃないかな。

村田:はなまるクーポンとのコラボはびっくりしました。ファンクラブの認知度が上がるとともに、コラボしてくれるというところまで来ているんだと実感しました。

はなまるクーポンの担当者と話をしたとき、もうすぐ会員5,000人です、と言うと「そんなに入ってるんだ」という反応をされました。数の力は確かにあるんだなと実感していますが、増やしていくということをベースとして置きつつ、会員一人一人の関わり方の濃さや活動の質も追及していかなければならないと思います。

渡邉:ファンクラブのような組織は、1万人になったら絶対に強いです。それが会員5,000人を突破したことで見えてきました。柏崎の市民性からすると「ファンクラブは知ってるけど恥ずかしいから入らない」「入って何になるの」と言いがち。でも、ファンクラブに入会することで開花し、いろいろなことに協力してくれる人たちがまだまだいると思っています。

伊藤:柏崎の人は、どうしても他の地域と比べがちで「どうせ柏崎なんか…」ってイジケちゃってる!だけど、裏にはちゃんと意地があって、負けたくない、みたいな気持ちがあるはずです。ファンクラブを通して柏崎への誇りや、シビックプライドを高めることにつながればいいと思います。

村田:私たちも、皆さんからもっとワクワクして「入ってみようかな」と思えるような活動をする努力が必要なんだろうなと思います。

あなたの柏崎の楽しみ方、教えてください!

ファンクラブを通じての柏崎の楽しみ方、こんな風に楽しんでもらえるといいなということはありますか?

渡邉:むしろ、柏崎のいろいろな人の、それぞれの楽しみ方を知ってもらいたいです。夏は夏、秋は秋で楽しみ方があります。多分普通に生活してたら、人と交流がないとそういう情報も得られないと思います。例えば、最近柏崎のとあるお店に、周りがみんな行っているんです。どこから情報を得てそこに行くのかっていったら、SNSの発達もあるし、ファンクラブの会員同士の交流で知り得て楽しむこともあると思います。だからファンクラブを通じてそういう情報が得られるといいですね。
楽しみ方をファンクラブを通じて知ってもらって、今度は自分なりの楽しみ方を教えてもらいたいですね。

伊藤:今はお休みしていますが、勝手にシリーズのように、趣味・好奇心を煽るものは集いやすいですね。いろいろな趣味の人がいるので、小さくてもいいから、オフ会みたいな感じであるといいですね。表に出てこないだけで、もうやっているのかもしれませんが。

村田:いつか会員同士の交流の中で「鉄道好き集合しよう!」とか、そういうのが出てくると嬉しいですね。

柏崎市内でも、趣味の集まりはかなりあると思いますし、日本酒や鉄道は聞いたことがあります。そういうところとコラボして、勝手にシリーズをするといいかもしれませんね。

渡邉:「コラボしてくれる人募集中です(笑)」みたいにして。

柏崎には全てが揃っている

さて、ここまでいろいろな質問をしてきましたが、皆さんは柏崎好きですか? 好きかと問われたときに、好きでもないし嫌いでもないし、普通に暮らしている。それとも、はっきり好きと言えるのか、どちらでしょうか。「好き」って特別な感情だと思うのですが…。

伊藤:好きですね。

例えば、伊藤さんはサーフィンをされますよね。「柏崎の海が好きだから柏崎が好き」のように、何か具体的なものがあるから「好き」と言えるのでしょうか。それとも好きって感情は理屈じゃないんでしょうか。

渡邉:そうかもしれない。今の例だと、海だけで好きってわけではないだろうし。

村田:「いいとこだな」っていうかね。

伊藤:そんなの本当は個人の意識の持ち方だから、どこに行っても楽しんで人生を送れる人は、場所は関係ないんだよね。そこだから楽しいって概念はそもそもないはず。でも、柏崎には山があって、海があって、食べ物があって、四季もちゃんとある。寒くもなって、暑くもなって、全部ちょうどある。バランスがいい感じがしますね。

村田:全部揃ってるとこってなかなかないもんね。

渡邉:気付いてないだけで、全てが揃ってる。

これからのファンクラブ


ファンクラブの今後の展開を教えてください。

伊藤:まだ出会っていない人たちとのネットワークを広げていきたいです。キャッシュレスとか、電気自動車とか、AIとか、時代が変わりそうじゃないですか。世の中のデジタルの流れと、ファンクラブのようなアナログのネットワークの流れをうまく融合させると、柏崎はもっと素敵になる気がします。つながった人たちのそれぞれの得意分野を生かし、いろいろな活動にチャレンジしていきたいです。「地方はどうやったら生き残れるか」のような「生き残り」の風潮がありますが、そういう刹那的なものは個人的に好きではないですね。

渡邉:僕たちは切羽詰まって必死でやってるんじゃなくて、楽しんで取り組んでいます。必死になってやってたら、絶対失敗する。

ベースはきちっとそういうところを認識している。でもそれを前面に出して必死になってやるのではなく、楽しみながらやっているということですね。

ファンクラブを通してこんなまちにしたい


ファンクラブの取り組みによって、柏崎が、あるいは柏崎に住んでいる人たちが、こんな風になってくれるといいな、というものはありますか?

村田:子どもたちが夢と希望を持って、柏崎というまちに胸を張れるようになってほしいです。そのために、学校で学ぶ歴史や文化に、楽しいことや、いろいろな仕掛けをプラスしていきたいです。柏崎市民であることに誇りを持ってもらいたいです。

渡邉:柏崎出身です、柏崎在住ですと胸を張って言い「柏崎はこんないいとこあるんだよ」と宣伝してほしいです。それによって、柏崎に住む人・住み続ける人が増えることにつながるのが一番ですよね。自慢できるまちじゃないと人は呼べないと思うので。

伊藤:環境も違うし、人間も違う。他と比べて全部違っていいと思うんですよ。柏崎の良さの再認識「柏崎ってすごく良いまちじゃん」と思ってもらえることがファンクラブにとって一番のごちそうですね。

僕の中で「帰る」は柏崎

最後に質問です。渡邉さん、いつ柏崎に住民票を移しますか?

渡邉:それで締めるのか!(笑)明日にでも移せるんですけどね。

それは冗談としても、柏崎に帰ってきたいですか?

渡邉:いや帰ってきたいからいるんじゃん!(笑)

伊藤:ほぼ帰ってるようなもんだけど…。

渡邉:東京から柏崎に帰ってくるたびにほっとします。東京に戻ると「また戻ってきちゃったよ」って。だから、僕の中で「帰る」は柏崎です。柏崎でも今の仕事はできるので、帰ってくるのは全然問題ないです。今の時代、東京にこだわる必要は全くないと思います。あと、柏崎は東京から近いから来やすい。車でも近いんだから、新幹線使ったらもっと近いですよ。みんな遠いと思ってるけど、全然そんなことありません。もっとこれを売り出していったほうがいいと思います。

ファンクラブで柏崎への思いにスイッチオン!

柏崎シティセールス推進協議会のメンバー

ファンクラブ、そして会員、柏崎への思いを運営の立場から語っていただきました。
ファンクラブを通して、柏崎の魅力を発見する。もっとこうした方がいいなという改善点を見つける。ファンクラブはそうした柏崎への思いを深め、自分たちのまちのことを考えるきっかけであり、柏崎への思いを起こすスイッチのようなものです。
柏崎ファンクラブは、今後も柏崎をもっと楽しみ、まちの良さを見つけるきっかけ作りをしていきます。皆さんもファンクラブに入会し、柏崎を思う気持ちにスイッチを入れ、柏崎をもっと楽しみませんか。