究極のゼネラリストを目指して~技術と技術を繋ぐ技能~
『企業のものづくり』と聞くとどういったイメージを持たれるだろうか。専門分野の製品を追究していくことを想像されるのではないだろうか。
そんなイメージを持たれる『企業のものづくり』だが、株式会社ケネックスは、ものづくりの上流工程から下流工程までを一貫して行っている。一つの専門分野ではなく、病院、飲食店、アパレル、役所まで様々な場所で使用する多種多様な製品を、お客様であるメーカーから受注を受け、部品調達から始まり最終製品へと仕上げていく、まさに『ものづくりのゼネラリスト』だ。
同社では、生産管理と組立部門のそれぞれ幹部候補を募集している。様々なものづくりに興味のある方やマネジメント能力を磨きたい方は、ぜひ注目していただきたい。
創業来35年以上のお客様との信頼関係
「技術は単体では世に出ません。技術と技術が組み合わさり製品になります。当社は技術を製品にまとめていく”技能”を1987年創業来35年以上継続発展させてきた会社です。」と回答していただいたのは代表取締役の広瀬大輔さん。同社は、広瀬さんの父である広瀬和美さんが創業。創業者の和美さんは山梨県出身。東京本社の企業に勤務していたところ、柏崎支社への転勤を命ぜられたのが柏崎との初めての接点だった。創業者の和美さんは、数年後に元々勤めていた企業を退職しそのまま移住先の柏崎に同社を設立。設立当初は金融関係の硬貨計数機の製造からスタートし、徐々に取り扱い製品を増やした。現在では約10社のメーカーから合計70種類以上の製品を受注している。一方で、請負主体の会社ではあるものの、自社で設計・開発機能も持ち合わせており、温浴循環器事業として「24時間風呂」を自社製造している。
社長は中越沖地震をきっかけに柏崎にUターン
広瀬さんは柏崎出身で1976年生まれ。京都の大学に進学し、若くて明るい会社に憧れて人材派遣会社に就職後東京支店に配属。その後も東京でIT企業や経営コンサルタント業も経験した。「当初は家業の継承には全く興味がありませんでした」というが、2007年、実家に帰省中に中越沖地震が発生。実家も被災したことで里心が芽生え柏崎に戻ってくる決心をした。1年後の2008年にUターンし同社に入社、2013年に代表取締役に就任した。社長に就任後は、業務の効率化を提唱し、年間休日を111日まで増やし、さらに残業を激減させることにも成功した。
3年でどの業界でも重宝される究極のゼネラリストになれる
広瀬さんは、「当社で3年間勤めれば、どこの製造業でもやっていく力が身に付きます」と語る。「なぜならば、ある製品を仕上げていく場合、メーカーに開発をお願いして、デザインを大学に、設計を技術者に、生産を成型業者に、部品の調達を商社にお願いします。それを取りまとめて、最終納期のマネジメントまで行う”ものづくりのゼネラリスト”が必ず必要なのです」とさらに語尾を強めた。現在そういったゼネラリストになる人材が減っているので、どこの会社でも求められるようだ。
さらに入社後の育成プログラムを尋ねると、「当社では、入社後1年目は知識不要、上司についていくだけでよいです。2年目は前に出てお客様との折衝に当たり、上司が後方支援します。3年目で担当企業をお任せするような育成プログラムを用意しています。仕事はタフともいえますが、3年間頑張れば、言葉を変えればプロジェクトマネージャーのような存在になれます」と言い切った。製造業のプロジェクトマネージャーは他業界よりも緻密なので、イベント会社などの他業界でも十分通用するスキルが身に付くようだ。
人の話を傾聴できる移住者を求む
「当社では技術ではなく技と技を繋げる技能を売りにしています。よって、静かでも、地味でも、不器用でもよいので、コミュニケーション意欲(能力ではない)があり、人の話を傾聴できる人が望ましいです。また、当社の社員はずっと地元育ちの人が多いので、ぜひともU・Iターン者の方に入社してほしいです」と移住者への想いを語る。さらに「違う土地で育った方から、外からの目で、自分たちが気付いていないところに価値を見出してほしい。当社は地の利がなく、現状柏崎でこの事業をやる意味合いが薄く感じるので、何か自分たちがこの地域にいる意味を見出したいとも思っています。ぜひ、理由を見つけてくれる人が当社に来てくれると最高です」と続けた。一方で、逆にいえば地の利に依存しないビジネスであり、同業者に足を引っ張られるというしがらみは一切ないようだ。
今後のキーマンとなる幹部候補を募集
今回募集している職種は生産管理と組立部門。生産管理とは、主に営業と購買を担当しメーカーとの折衝や商社や加工会社との折衝を行う。また、組立部門では、現場を指揮する幹部候補として迎えたいようだ。「ものづくりが好きな人には特に当社をオススメしたい。普通の製造業の開発部門にいると一つの製品ばかりを扱うことになる。当社では、医療機器や金融機関で扱う機器、ホテルビュッフェの保温器、居酒屋チェーンの酒燗器など、多くの身近な最終製品に携わることができます」と熱く語っていただいた。また、「会社見学は随時実施しています」とのことなので、柏崎にお試し移住される際は、ぜひ会社見学をプランに盛り込んではいかがだろうか。
「住めば都とはよく言いますが、住めばふるさと・・・柏崎に住めば住むほどにそんな風に思える温かさや豊かさがあります。ぜひ、一緒にいいふるさとにしていきましょう」と締めくくられた。
『ものづくりのスペシャリスト』ではなく、『ゼネラリスト』を目指せる企業。ものづくりを通じて、多様な業種と関わりたい方はチャレンジしてみてはどうだろうか。
取材執筆=間島 博英(柏崎市移住・定住推進パートナーチーム)
写真撮影=滝澤 葉月(NPO法人aisa)
- 企業情報
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- 会社名
- 株式会社ケネックス
- 事業内容
- 業務用電気機器の組立(製品組立)、装置設計・開発、装置組立、古物商貿易
- コメント
- 私たちには技術はないです。しかし、技術は単体では世に出ません。技術と技術が組み合わさり製品になります。製品にまとめていく技能を創業来35年以上継続発展させてきた会社です。
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